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「都構想の中身」に対して総務大臣が「お墨付き」を与えたかのような言説は、明確な事実誤認です

しばしば、「都構想の中身」に対して、総務大臣が「お墨付き」を与えたかのような言説が、繰り返されていますが、それは明確な事実誤認です。

例えば、http://togetter.com/li/806296では、

 「総務大臣が認めている大阪都構想」

などと書かれていますが、これは完全なデマゴギーの類です。

ことの経緯を説明いたしましょう。

まず、総務大臣をお務めの高市先生は、今回の「協定書」について「特段の意見はありません」と発言しておられますが、その経緯についてご自身のブログで、詳しく解説しておられます。
https://www.sanae.gr.jp/column_details708.html

以前総務省に出されたものと同じものが今回も提出されたが、当時それについて「問題なし」と判断したから、今回もそれに習ったとおっしゃています。

では前回、当時の新藤大臣は、何について「問題なし」とおっしゃったのかと言うと、『行政事務の遂行』にとってである、と明言されています。これはつまり、「書類に不備はないから、事務手続きできますよ」と判断しただけだという訳です。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/01koho01_02000312.html

ですから、「この都構想の中身を総務省として調べたところ、この構想には全く問題がない、と判断しました」という趣旨の発言では全くなかったのです。

にも関わらず、「大臣が、都構想の設計図にお墨付きを与えた!」という種類の発言が、あろうことか協定書提出の公的責任者からすら出てきます。そしてそれを受けて、一般の人々の中にも、「お墨付きをもらった!」という趣旨の言説がはびこるようになります(例えば、 http://togetter.com/li/806296/ をご覧ください)。

こうした事態を憂慮してか、現大臣の高市先生も、こうした「誤解」をかき消す「効果」を発揮することが明確な、次の様なご発言を、わざわざご自身のブログに明言されたのです。

『今回の「総務大臣意見」は、協定書案の内容について「特段の意見はない」ことを述べるものであって、いわゆる「大阪都構想」の是非について述べるものではない』https://www.sanae.gr.jp/column_details708.html

繰り返します。大臣は、『いわゆる「大阪都構想」の是非について述べるものではない』とおっしゃっているのです。

したがって、大臣が、都構想の是非について肯定的に評価したかのように触れ回るのは、悪質な印象操作だと言わざるを得ません。

そうした「事実誤認」「印象操作」を目撃されれば、是非、この情報を、教えて差し上げてください。

真っ当な住民判断を期するにあたって、有権者の判断を歪めるデマゴギーほど悪質なものはないのです。