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橋下氏が不条理な「港湾府市統合」をごり押ししようとしてぶち切れたそうです。いい加減にしてもらいたいです。

下記、あまりにも個人的にタイムリーなネタだったので、ご紹介します。

当方、政府の仕事で、京浜港、阪神港のそれぞれの実情について、ここ数ヶ月ヒアリングを行い、それぞれの港湾の国際競争力を如何に向上し、来たるべく巨大地震に対する強靭性を如何に確保するのか……という視点の政策構想を検討しております。

その中で、港湾の連携の議論というのがあるのですが、下記に報道されている「大阪港(大阪市管理)と堺泉北港(大阪府管理)の管理権限を、(府市に)一元化する」という議論に、ほとんどメリットが無い旨を、(「既得権益者」なぞと呼ばれかねない府や市の役人では無く)第三者の政府関係者から詳しくお聞きしていたところでした。

(大阪市が管理する)大阪港はコンテナ港が中心で、(大阪府が管理する)堺泉北港はコンビナートのバルク港が中心….ということで、両者を一元管理するメリットがさほど(というか、ほとんど)見いだせない、というのが実態です。

(※ コンテナとは、モノを入れる箱、のことで、その箱を扱う港がコンテナ港です。で、バルク港とは、石油やガス、鉄鉱石等、コンテナに入れないモノを扱う港です)

むしろコンテナが中心の神戸港と大阪港は、連携するメリットが大きく、したがって、全国に先駆けて、神戸・大阪の両港を一元管理する民営会社が設立され、画期的な港湾共同運営が実現している、というのが、現状です(!)。

そこに、コンテナとまったく発想の違うバルクが主力の堺泉北が参入しても、何をどうやればいいのか、ほとんどナンセンスだ….という事になっているという次第です。

意味があるとすれば、「府と市の事業が二重にあるのは無駄だ、港湾だって例外じゃない、だから、大阪港と堺泉北港を一体管理して、無駄をなくすんだ!」っていう、机上の空論を、現場の実情をみずに教条的に繰り返す勢力にとってみれば、「統合することが政治的成果になる」という意味があるでしょう。

さらには、現場の実情を主張する人々に対して「こいつらは改革に抵抗する既得権益者だ!」と政治的に攻撃するという意味があるでしょう。

逆にいうと、そういう「政治的アピール」以外に、港湾行政上、さしたるメリットを見出し難いのが、港における府市統合問題(大阪港と堺泉北港の統合管理問題)なのです。

….ホントに、いいかげん、(誰とは言いませんが)エエカッコしぃだけで政治するのはやめてもらわないと、大阪が沈没し、日本が巨大地震で破壊されてしまいます…..

まずは本件の「真実」を、一人でも多くの人々に、知っていただきたいと思い、メッセージ差し上げました。