2015.04.08
都区制度の「プロ」から見れば「大阪都構想」は「滑稽」でしかないそうです。
極めて「地味」な本ですが、「都構想」を考える上で貴重な本です。
東京都にある「都区制」の専門誌「都政新報」という、ちょーマニアックな新聞のベテラン記者がとりまとめた書籍で、ある意味、「都区制度」を語らせたら、右に出る者がいない! なレベルの方々による書籍です。
そのメッセージは、極めてストレートです。
『東京都庁や二十三区の職員や議員には、こうした大阪の動きを冷ややかに見ている人が少なからずいます。二〇〇〇年の都区制度改革やその前後の動きに関わったことのある人なら、この不合理な統治機構がいかに胡散臭いものかをよく知っているはずです。』
『都区制度を一言でいえば、都が財政調整と事務分担の全権を握る制度です。…(中略)…都区制度そのものが本来的に、都が区を統治するという性質の統治機構…(中略)…都政は戦時体制なのです』
『都区制度の下にある特別区は…(中略)…決して一人前の自治体にはなれません。….(中略)…自分が使うお金すら、都に財布のひもを握られている半人前の自治体です。』
これら見解はもちろん、当方が拙著の中で『事実6』に関連して指摘したものと全く同じです。
そして著者らは最後に、次のように論じます。
『十八年間、東京の都区制度を取材し続けてきた一人として、大阪で都区制度を導入しようとする試みは、滑稽でしかなかった。』
我々は、こうした声を無視したまま、「大阪都構想」についての判断を決めてしまってもいいものなのでしょうか?
有権者の皆様方の、理性的で冷静な状況判断を、心から祈念したいと思います。