2015.10.29
柴山先生が、公権力による「私信公表」は「見過ごせない大問題」と強烈に橋下批判をしています
京大の柴山先生の記事です。曰く、
「関西では一一月の大阪ダブル選挙が近づくなかで、選挙関連の報道が増えてきましたが、見過ごすことのできない問題も起きています。
http://www.sankei.com/west/news/151016/wst1510160100-n1.html
公権力の立場にある政党が、自らの政策に反対する大学教授の私信を入手し、本人の承諾も得ずに内容を公表した上で、番組に降板圧力をかける。常識では考えられない話です。
まず、公権力が私人のメールを勝手に公表することなど許されるのでしょうか。逆のパターンならまだ話は分かります。例えば、公権力が報道機関に圧力をかけ、報道内容を変更させたという場合。これは明らかに公権力の濫用ですから、ジャーナリストが権力者側の私信を入手・公表して、その不正を告発することはありえるでしょう。
しかし今回は、話が違う。公権力が私人のメールを勝手に公表するということがまず問題ですし、それを根拠に番組に圧力をかけるというのはもっと問題です。これが許されるなら、テレビ番組で公権力の政策を批判することなど、出来ない相談となってしまいます。テレビで発言するコメンテーターが、いちいち「お前は特定政党とつながっているのではないか」と公権力にチェックされ、私信まで暴かれる。そんな不条理な世界があるでしょうか。
・・・
これは「言論の自由」などという法律論以前の、常識の問題ではないですか。特に政権政党がある政策(TPPであれ大阪都構想であれ)を強力に推し進めようとしている場合、その政策の問題点なり疑問点を、報道機関がチェックするのは当然です。「公平中立」を理由に反対党派の者をテレビに出してはいけないとなれば、それも公権力が圧力をかけて出演者を降板させてもよいとなれば、テレビの言論は死んだも同然になります。
私が気になるのは、こんなおかしなことが起きているにもかかわらず、大手メディアを含めて疑問の声がほとんど上がらないということです。」
・・・全く同感であります。