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「都構想の廃止手続き即決」が証明する,「都構想・推進論」の「いい加減さ」

念のためののご報告….ですが、下記報道にありますように、「大阪都構想」なるものは、完全になくなりました。法定協議会を廃止することになったからです。これで「形を換えて復活する」なんてことも、(実質上完全に)あり得なくなりました。

筆者は都構想なぞそもそも「論外」の代物なので、これは大変結構な話であり、大阪の未来にとって、大変に喜ばしいことだと考えます。

ですが、何とも釈然としない感覚にとらわれるのは、当方だけではないでしょう。

なぜそんな気分になるのか……そんな事にご関心の方は、下記、ご一読ください。(論証は少々ややこしいですが、ご理解いただける方には、すっとご理解いただける内容ではないかと思いますw)。

・・・

何が釈然としないか、といえば……まず口語で言うと、こういうことだからです。

「なんか橋下さん、すぐに法定協議会廃止っていうた方が潔くってかっこいい、って思ってるんかもしれんけど、

結局それって、『都構想やったら大阪にとってええんやでーーって、ずーーっとゆーてはったけど、それは口でゆーてただけで、ホンマはそんな事全然思って無かった』ってことなんちゃうん?

もっとゆーたら、『大阪の事なんてホンマはどうでもええと思ってた』ってことなんちゃうん?」

という疑念がどうしてもでてきてしまうからです。

これで伝わった方には伝わったと思いますが、さらにもうすこし詳しく解説すると、次のようになります。

そもそも個人の進退については「潔さ」ってのは美徳となることもあるのかもしれませんが、「政策」においては「潔さ」ってのは美徳どころか悪徳ですらあります。

なぜならそもそも、住民投票の結果と、都構想で大阪が豊かになるかどうかは、関係のないからです(そもそも、「真実は少数に宿る」なんてことも言われるくらいですからw)。

もしも本当に、賛成派の方々が都構想で大阪を豊かにできると信じているのなら、そして本当に大阪の未来を豊かにしたいのなら、住民投票で否決されようが何をされようが(それこそマックスウェーバーが言うような不屈の精神で)都構想の実現を目指せば良いはずではありませんか。

それを「たかだか住民投票で否決されたくらい」で完全にあきらめる、というのは、次の二つの可能性のいずれかあるいは両方が「真」であるとしか考えられません。

(1)大阪なんてどうなってもいいと思っている(だから、住民投票で否決されれば、あっさりあきらめられる)。

(2)本当は、都構想で大阪が豊かにできるとは信じてはいない(だから、住民投票で否決されれば、あっさりあきらめられる)。

もちろんこれ以外にも、

「都構想で大阪が豊かにできるかどうかは、本当はよく分からないが、多数決で賛成多数になれば大阪が豊かになるのだろうと考えられるが、否決されれば豊かにならないだろうと考えられる」

という可能性もあるかもしれませんが、この説は、完全にアホですね。そんな事は政策論的にありえません。繰り返しますが、政策の正しさと、多数決とは関係ありません。

あるいは、

「大阪の未来のこともしっかり考え、かつ、都構想が絶対必要だと考えるが、これがラストチャンスだ、といってのけた以上、仕方ない、と考えている」

という可能性もありえますが….よくよく考えれば、そんな可能性も100%ありえません。なぜなら、(1)(2)のいずれかあるいは両方が真でなければ、「これがラストチャンスだ」と言ってのけることなどあり得ないからです!

ということで、論理的に考えれば考えるほど、下記ニュースで報道されているように、都構想推進勢力が今回の否決を受けて都構想を完全に即時断念する、という判断をするということは、上記の(1)(2)のいずれかあるいは両方が真である、ということを示唆しているとしか考えられないわけです。
(※ 万一、これ以外の可能性があれば是非、ご教示くださいw)

ということで、繰り返しますが、下記ニュースを見たら、以下の様に感じてしまわざるを得ないのではないかと……筆者には思えるわけです。

「なんか橋下さん、すぐに法定協議会廃止っていうた方が潔くってかっこいい、って思ってるんかもしれんけど、

結局それって、『都構想やったら大阪にとってええんやでーーって、ずーーっとゆーてはったけど、それは口でゆーてただけで、ホンマはそんな事全然思って無かった』ってことなんちゃうん?

もっとゆーたら、『大阪の事なんてホンマはどうでもええと思ってた』ってことなんちゃうん?」

…..以上、いかがでしょうか? 気になる方は、是非一度、お考えになってみてください。