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「大阪都構想」その損失は計り知れない(全国の地方財政学・行政学者が警告)~残り13日

大阪市という長い歴史を背負った住民による自治共同体=自治体が排紙されるか否かが決する日まで、残り13日、となりました。

先日来ご紹介しています、都構想に危機感を持つ学者先生方のご意見を広く呼びかけたところ、賛同者が今朝時点で実に「100名」を超えました。

この勢いに、ただただ驚くばかりです。

この呼びかけをご存じない方を含めれば、すさまじい数の専門の先生方が、この「都構想」に対して、深く憂慮していることが明らかになったものと思います。

ご意見の全容は明日、公開しますが、その中のごく一部をご紹介します。

さまざまな意見をいただいておりますが、やはり、多くの先生方が憂慮しているのは、

「自治の喪失・弱体化」

です。

この点は昨日、動画を配信し、さっそくさまざまな批判がなされているところですが、筆者の認識は専門家にとって極めて平均的な、当たり前の認識であることをご理解いただけるものと思います。

是非、下記、ご覧いただき、この都構想なるものが、いかに「論外」にしか過ぎない代物であるのかを、しっかりとご認識ください。

「大阪都構想は、大阪市の解体に他ならない。大阪市は自治権を失い、大阪府によって直接統治される。都市計画決定をはじめ、多くの権限を大阪府に吸い上げられる。こんなものが地方自治の伸長に役立つはずはない。」(山口二郎(法政大学教授) 政治学)

「今回大阪市を解体し、あらたに5つの特別区を設置しようとする動きは市民自治を拡充することを目指すことを目的とせず、むしろ後退の虞がある。それというのも「解体」は大阪市の持っていた権限や財源の府への集中を進める一方で、やせ細った特別区をつくることになるからである。」西寺雅也(名古屋学院大学教授) 自治体経営学

特別区になったその日から自治権拡充の闘いが始まることを覚悟しなければならない。」今村都南雄(中央大学名誉教授) 行政学

特別区という制度は、東京の特別区自身が切に抜け出したいと思っている最悪の制度です。特別区制度によって自治を市民から引き剥がしてはなりません。」菅原敏夫(元法政大学非常勤講師) 地方財政学

「大阪の地方自治の歴史において、とりかえしのつかない愚挙とならないことを祈っている。」重森 曉(大阪経済大学名誉教授) 地方財政学

「市民は、全国に遅れること10年、1898年にようやく官選知事の大阪府から自治権を確立して、今日につづく大阪市があることを忘れてはならないのではないか。」西堀喜久夫(愛知大学教授) 地方財政学

「「大阪都構想」が通れば、大阪市民は共同体としての大阪市を失うとともに、共同体がもつ大都市行財政権限を失うことになる。その損失は計り知れない。」平岡和久(立命館大学教授) 地方財政学

大阪市を解体し、市民の参加機会と住民自治を奪った上で、市の財源をとりあげ、財源を新規の大規模開発に投入し、市民福祉を踏みにじろうとするもので、絶対許されません。」宮入興一(愛知大学名誉教授) 地方財政学

「縮小された権限と財源の下で、特別区は団体自治も住民自治も発揮することができず、特別区間での財政調整をめぐる争いと、住民間での負担増または歳出減の押し付け合いに終始することとなろう。」梅原英治(大阪経済大学教授) 財政学