「大阪市廃止を有権者に隠す詐欺」のような住民投票|藤井 聡

HOME > 藤井聡 facebook より Index

「大阪市廃止を有権者に隠す詐欺」のような住民投票

5月5日の記者会見にご賛同いただいている、大学研究者は、ついに90名を超えました! 今、名簿を整理しているところですので、おってまた、ご報告差し上げます。

さて、その中でも、10日の学者説明会でお話いただく予定であります村上先生からいただいた所見を、ご紹介差し上げます。

『書店に並ぶ本は、大阪都反対が圧倒的に多い。不思議なことに、橋下氏以外の維新の党の政治家は、討論会に出席しない。つまり、橋下氏の弁舌だけが、大阪都構想を支えている』

『具体的に考えれば、府への権限・財源集中ではじめて可能になる政策は、実は、カジノの強行建設くらいしかない。』

素晴らしいご指摘です。

ちなみに、村上氏は、橋下市長が「ドタキャンした」(引用)と言われている弁護士会での討論会での、反対派の学識経験者として登壇予定だった先生です。

本FBを御覧の方の大半がもうすでに明確に気づいているものと思いますが、論理的に議論すれば、「賛成派」を支える論理的根拠は、存在しません。村上先生が看破された通り『橋下氏の弁舌だけが、大阪都構想を支えている』のです。その点を、完膚なきまでに論じてこられた研究者の一人が村上先生であり、かの討論会から橋下氏が「ドタキャンした」(引用)重要な原因の一つが、その村上先生の議論だったのです。

是非、その村上先生のご所見、ご一読ください!

ーーーーーーーーーーーーーー
   大阪を衰退させる大阪市廃止を、有権者に隠す詐欺的な住民投票

                      立命館大学法学部教授(行政学・地方自治論) 村上弘

書店に並ぶ本は、大阪都反対が圧倒的に多い。不思議なことに、橋下氏以外の維新の党の政治家は、討論会に出席しない。つまり、橋下氏の弁舌だけが、大阪都構想を支えているのだ。しかし、その勇ましい弁舌は、太平洋戦争時の「大本営発表」に似て、不都合な事実を語らず、良い結果をもたらす保証もない。

しっかりと、具体的に考えれば、府への権限・財源集中ではじめて可能になる政策は、実は、カジノの強行建設くらいしかない。都市開発、鉄道、高速道路、万博などは、これまで府と市は意見の違いはあっても交渉して進めてきたのだから。

むしろ大阪市廃止によって、その政策力も、行政サービスも分断され後退する。これまでの大阪市の充実した施設、24区にあった施設は、次第に縮小されていくだろう。また、市役所を失った大阪市域は、府からみると領域の3分の1に過ぎない存在になる。代わりに置かれる弱い特別区は、都市計画も産業振興もできない。エンジンが2つから1つになった大阪、2人いるパイロットの1人を操縦室から追い出した大阪は、かなり弱体化する。そんな「改革」を認めるのか、有権者はしっかり判断していただきたい。

便利なものも多い府と市の二重行政を「すべて悪い」、全国各地で賢明に分担・協調している府県と市を「相容れない」、危険の大きい大手術を「ともかく現状を変えましょう」と単純化する宣伝は、一方的でウソが多く、疑ってみるべきだ。

しかも、住民投票の用紙自体が、詐欺的なのです。「大阪市における特別区の設置についての投票」と書かれているので、大阪市が廃止されるとは読めない。選挙での候補者の経歴詐称よりも、はるかに悪質だ。関係者は、政令市の廃止という真実を直視したくも、語りたくもないのだろう。

そのような投票用紙は、国の根拠法の1条に「関係市町村を廃止し」とあり、7条2項に「分かりやすい説明をしなければならない」とあるのに違反している。住民投票のあとで、投票は違法で無効だという訴訟が起こされる可能性もある。

当面は、マスコミや有権者が、これは「大阪市廃止分割構想」への投票だと繰り返し確認したうえで、みんなで投票に行くことがたいせつです。

<インターネットで読める参考文献>
・大都市地域における特別区の設置に関する法律 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H24/H24HO080.html
・大阪市選挙管理委員会(住民投票の案内) http://www.city.osaka.lg.jp/contents/…/jutou/tohyosanpi.html
・大阪市政調査会 http://www.osaka-shisei.jp/osaka_to.html
・地方自治研究者どうしの議論の例 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42854