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学者の会シンポジウム: 統一地方選の結果から見た大阪の現状と課題 ~大阪都=大阪市廃止のリスクを見据えて~ を開催します

学者の会シンポジウム: 統一地方選の結果から見た大阪の現状と課題  ~大阪都=大阪市廃止のリスクを見据えて~ 

平成27(2015)年5月17日の住民投票で、大阪都構想つまり「特別区設置・大阪市廃止」が否決された。それにも関わらず今、再び、この構想を実現するための「住民投票」に向けた様々な政治的な駆け引きが、大阪府市において激しく展開されている。民主主義政体における「直接住民投票での否決」の重みを踏まえれば、否決から数年の内にこうした「再チャレンジ」の動きが生ずること自体が異例と言えよう。

そうした「駆け引き」の中で、都構想推進派は、平成最後の統一地方選挙において大阪市長・府知事が同時に辞職し、入れ替えた上で市長・府知事選挙を行うという挙に出た。そして、都構想を推進する上で必要な「府知事選・市長選・府議会選挙・市議会選挙」の四つを同時に行うクアドラプル選挙(四重選挙)における「全勝」を目指した。結果、都構想推進派は府知事選・市長選挙に勝利し、府議会選挙で過半数を獲得するも、市議会選挙において過半数割れとなった。つまり推進派は、「三勝一敗」の結果となり、都構想を一気に実現させるために必要であった「全勝」に失敗することとなった。結果、推進派は、選挙前よりも議席数を伸ばしたものの、選挙前から抜本的に状況を改変することに失敗することとなった。

ただし、選挙前と比べれば、推進派は、過半数割れとなっていた府議会と法定協議会において「過半数」を獲得することに成功することとなった。つまり、今回の統一地方選を経て、推進派は完全に都構想を推進する体制を作り上げることに失敗したものの、勢力を拡大することには成功したのであった。ただし、都構想実現において何よりも重要なのは、大阪市民の判断である。そしてその判断において都構想反対の市長候補も42%の票を集め、市会選挙では維新以外の議員が過半数をやや上回ったということも、見落としてはならない重要な事実である

このような変化をもたらした統一地方選挙を経た今、大阪を巡る状況を改めて分析・解釈するとともに、「大阪都=大阪市廃止・特別区設置」の危険性を改めて認識しつつ、今後の大阪の発展のために必要な学術的議論を、多面的な視点から展開するためのシンポジウムを行う。

日時: 2019年(令和元年)5月12日(日) 午後4時~午後6時30分

場所: NSビル(浪速産業)9階
大阪市中央区谷町2丁目2-22
https://goo.gl/maps/8ujd86LdbB12

主催: 「豊かな大阪をつくる」学者の会

プログラム:(動画 1/22/2)

[全体共通資料]プログラムファクトチェック選挙公報

森 裕之・立命館大学教授(地方財政学)
「都構想の内実を総括する-真実による後方支援」資料

冨田宏治・関西学院大学・教授(政治学)
「大阪クロス選の投票結果分析ーー維新は強くなったのか?」資料

川端祐一郎・京都大学大学院助教(公共政策論)
「『改革』は幻想とともにあるもの」資料

村上 弘・立命館大学教授(行政学・地方自治論)
「大阪市廃止(大阪都)と2019市長選反対派の宣伝の弱点と得票42%の意味」資料

薬師院仁志・帝塚山学院大学教授(社会学)
「選挙戦略の困難:民意の代表か権利の委譲か」資料

藤井 聡・京都大学大学院教授(公共政策論)
「大阪市民、堺市民の『自治』を守れるのか?」資料

 

・事前予約はございません。当日満席になりましたら、恐れ入りますが入場をお断りすることもございます。(定員約120名)

・会の進行の妨げになる行為がある場合は、ご退場いただくことがあります。

・問い合わせは右記まで
メール:sec-tba@trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp
電話:075-383-3239(平日のみ対応でご了承ください)