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吹田市と八尾市は堺市とともに都構想の「防波堤」になりました

この度、吹田市で現職の維新系市長を破り、新しく市長になった後藤圭二氏は、

「堺市長、八尾市長とともに都構想の防波堤になる」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150427-00000002-asahi-pol

と発言されています。

この発言は、極めて重大な意味を持ちます。以下、解説いたします。

まず、下記地図をご覧ください。この地図は、「当初提案されていた区割り案」です。都構想推進派は、ご覧の様に、大阪市だけでなく、その周辺の吹田市、八尾市、堺市等の自治体も全て、「特別区」し、大阪府の中心に大きな「特別区エリア」をつくることを主張していました。

しかし今は、堺市長選で維新側市長が敗北したことで、「大阪市を5分割するだけの今の案」に改編されることになりました。

なお、「今の案」なら反対だけど、「当初の案」ならば賛成だったのに…という方はたくさんおられます。実際、それを理由に離党した維新議員がおられるほどです(なお、当方は当初案でも都区制度それ自身に問題は多いと考えますが)。

そんな中、都構想推進派は次のような主張を繰り返していました。

「まずは大阪市を特別区に移行する。
その後は、周辺自治体が合意すれば
特別区に移行していくことができる。
だから、『当初案』にだけ賛成だった人も、
『大阪市5分割の現案』に賛成を!」

なお、今の法律では、「周辺自治体の合意」においては、住民投票はやらなくてもいい、ということになっています(そんなめちゃくちゃな法律、あってもいいのか….?とおもいますが、そういう抜け穴が残されてしまっているのです……)。 つまり、八尾市や吹田市の市長が、維新系で、都構想に前向きであれば(仮に住民がそれを望まなくても)、それだけで特別区に移行されてしまう危惧が生ずることになるのです!

したがって、今回、八尾や吹田で維新系市長が当選していれば、万一5.17の投票で「都構想」が可決されたとした場合、一気に特別区が、八尾や吹田を巻き込んで拡大していく可能性が生ずるところだったのです…..

が!!

今回の市長選の結果、その目は消えた、ということになりました。

だからこそ、今回の市長選の結果は、「都構想の未来」を占う上で、重大な意味を持つものだったわけです。まさに、「吹田市は、堺市、八尾市とともに都構想の防波堤」となったわけです。

こうした背景から、例えば、産経新聞は、『「都構想」に周辺自治体巻き込めず』という記事の中で、『27日に告示される「大阪都構想」の住民投票に向けて、大阪市の周辺自治体を巻き込んだ「グレーター大阪」を目指す思惑は不調に終わった。』と報じているわけです。
http://www.sankei.com/west/news/150427/wst1504270009-n1.html

以上の顛末は、都構想に賛成する大きな理由の一つ(グレーター大阪)が、また一つ、なくなったことを意味しています。

昨日の選挙結果については、是非、こういう視点からも、ご認識いただけれと思います。

以上、ご紹介まで!

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