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「新幹線で大阪復活!」はマルクス、リスト、クーリー、ゲーテ等にすれば「当然」なのです。

佐藤優氏が、拙著『大阪都構想が日本を破壊する』に対して、大変鋭い解説をしてくださっています!
当方が論じた「北陸・四国・山陰と新幹線で接続することで、大阪を発展させる!」という「大大阪構想」の発想が、マルクス理論に通底している、という指摘。
まさにおっしゃる通り、実は、今日では、当方の交通インフラでもって経済発展を!という説はマイナーとなっていますが、19世紀にから20世紀初頭にかけては、社会科学におけるど真ん中の理論だったのです!
例えば、佐藤氏が指摘するマルクスのみならず、
フリードリッヒリスト、
http://klibredb.lib.kanagawa-u.ac.jp/…/…/1/kana-5-5-0005.pdf
クーリー
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejipm/…/68_1_30/_pdf
さらには、ゲーテ
http://www.researchgate.net/publication/30777895___
まで、交通インフラによる地域統合こそ、発展の絶対条件である、ということを、当たり前の常識と認識していたのです!
昨今の似非社会科学ともいえる「新自由主義」的な経済学が幅をきかせる時代となって以来、こうした当然の社会科学的常識が忘れ去られ、その結果、「大大阪構想」の様な政策論の重要性が、日本において忘却されてしまったのです。。。
結果、都市間競争でも弱肉強食が当たり前となり、東京一極集中と大阪の激しい地盤沈下が進行した、という次第です。
今日の「都構想」は、そんな弱肉強食の「新自由主義」のイデオロギーをさらに過激に進めようとするものですから、大阪復活の真逆の発想だ、ということが、社会科学的に明白に結論づけられるのです。
…..というような、社会科学のややこしい話をするのを避けて今日まで参りましたが、佐藤さんのご指摘はまさに、その点を読み取り、ご指摘してくださった、という次第です。
休日の本日は、少し、こんな「社会科学的」な知識の一端にでも、思いをはせて頂きつつ、今日の大阪でまかり通っている議論の稚拙さや陳腐さを、改めてかみしめていただければ、幸いです。
以上、ご紹介まで!