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都構想を含めた「地方創生」についての広井先生との対談(潮)

「都構想」あるいは「大阪」の問題は、広く捉えれば「地方創生」の問題です。
したがって、この「都構想問題」あるいは「大阪」の具体的な処方箋考えるにあたって、「地方創生」というものについてどの様に考えるか…..が、決定的に重要になります。
その点について、地域活性化に長年取り組んで来られた千葉大学の広井先生と対談いたしました(とても意義ある、すがすがしい対談となりました)。
その冒頭部分だけ、ご紹介差し上げます。
ご関心の方は、是非、下記雑誌(潮)、ご覧になってください。
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/DetailZasshi…

(以下、一部抜粋)
藤井 今の日本は“不健全な病気”にかかっていると言えるのではないでしょうか。首都にこれだけ人口が集積するのは、先進国ではなく発展途上国特有の現象です。地方だけでは経済が立ちゆかず、すべてが中心都市に移っていく。都市部のインフラだけが整備され、地方のインフラや経済は脆弱なままで後回しにされる。これは、先進国の国家として適切な投資とは思えません。
通常は発展途上国が先進国になると、すべての地域を対象として適切な投資と適切な仕組み作りが始まります。財があれば余裕が生まれますから、国家の玄関(都市部)だけをきれいにするのではなく、都市が生んだ富を地方に再分配するのが当たり前です。ところが日本では、先進国になってからも、バブル経済に浮かれ、地方への再分配が適切になされていなかったのです。
藤井 昭和二五年(一九五〇年)の東京と大阪の都市圏規模は、一〇対八でほぼ拮抗していました。それが今や、大阪の都市圏規模は東京の半分程度しかありません。都市化している大阪ですら、東京とのインフラ水準の格差はとてつもなく大きいのです。
一九七三年、政府は全国新幹線整備計画を発表しました。東京はこのうち一〇〇%を整備済(または整備中)でして、東北新幹線、東海道新幹線、上越新幹線、北陸新幹線の四本が開通しています。さらに東京にはリニア中央新幹線も開通するわけです(二〇二七年予定)。
ところが大阪には、いまだに東海道・山陽新幹線の一本が通過しているだけです。これだけの格差があれば、大阪でさえ東京に太刀打ちできるわけがないのです。
日本の都市整備には、致命的な欠点があります。都市は放っておくと無秩序に発展していきますから、手放しで市場原理に委ねることなく、規制を強化して保護しなければいけません。フランスのストラスブールにしてもドイツのカールス―エにしても、人々が集まる場所では規制をかけて開発に線引きをかけるのです。
(以上、抜粋おわり)